くも膜下出血

脳に起こる脳血管障害は、生命維持の中枢で起こるだけに命に関わる事態に発展しやすい病気であるといえます。
脳血管障害の一つであるくも膜下出血は特に危険な性質を持っているといえます。
くも膜下出血はどのような原因で発症し、どのように予防・治療すればいいのでしょうか?

発症すると危険なくも膜下出血とは?

脳と心臓は、生命活動の中枢を担うだけに外部から厳重に保護されています。

心臓には胸筋と肋骨、脳には髪の毛・頭蓋骨、そして硬膜・くも膜・軟膜の三層からなる髄膜で保護されています。
しかし、外部から厳重に保護されていても内部で何か異常が起こるとお手上げです。

それが、くも膜と軟膜の間に起こるくも膜下出血なのです。

くも膜下出血の症状

くも膜下出血は脳血管障害の一つで、頭蓋骨の下にある髄膜のくも膜と軟膜の間で発生する出血です。
くも膜下出血は頭蓋骨の下で起こるため、場合によっては開頭手術を行って止血する必要があります。

クモ膜下出血の主な症状としては「強い頭の痛み」が挙げられます。
「金属バットで強く叩かれたような痛み」と例えられ、吐き気を起こすほどの痛みを起こします。

出血がひどい時には意識障害を起こすこともあります。

くも膜下出血の怖さ

クモ膜下出血は脳血管障害の中で最も厄介なものと言われています。
なぜなら、命に関わる可能性が高い為です。

くも膜下出血を発症した患者の三分の一は治療後に無事社会復帰でき、もう三分の一は後遺症が残り、残りの三分の一が発症と同時に死亡してしまうといわれています。

つまり、くも膜下出血は66%以上の確率で社会復帰が難しいほどの症状が現れるということなのです。

原因は?

くも膜下出血の原因となるのは、脳血管に起こる脳動脈瘤の破裂です。

脳動脈瘤は、血管の一部が風船のように膨らむことで発生する血管障害で、先天的な要因による所が大きいのが特徴です。
そのため、家族にくも膜下出血を患った人が居る場合は発症する可能性が高くなります。

後天的な脳動脈瘤の場合は加齢と動脈硬化が発症に関わってくるため、40~50代の壮年層から発症率が高まる傾向があります。

最近では20〜30代の若い世代にも多く見られ、年齢とは関係なくなってきているといえます。

前兆や後遺症は?

多くの病気には発症する前に前兆が見られるものです。
クモ膜下出血でも前兆症状はあるのですが、全体の30%程度の患者が前兆として「頭痛」「物が二重に見える」「瞳孔の拡大」といった頭痛や視神経の影響が現れます。

しかし、残りの70%の患者は前触れなく発症しているため前兆が必ずしも出るというわけではありません。
また、治療が無事に済んでも後遺症が残ることもあります。

くも膜下出血の後遺症としては、「血管収斂による脳梗塞の恐れ」や「正常圧水頭症による精神機能障害・運動障害」があります。

具体的には言語障害や手足の麻痺、排泄困難や認識力の低下などが挙げられ社会復帰には相当のリハビリテーションが必要となります。

くも膜下出血の治療

くも膜下出血の治療は、外科手術によって行なわれます。
脳動脈瘤を破裂する前にMRI検査などで早期に発見してしまうことが前提となります。

主な手術法としては、開頭後、患部の脳動脈瘤を金属製クリップで挟み血流を制限する「開頭クリッピング術」と、太腿などからカテーテルを通し、患部の脳動脈瘤に金属コイルを充填して凝固させてしまう「脳動脈コイル塞栓術」があります。

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