かつて肥満体型は食事に困らない裕福さを示す一種のステータスでした。
しかし、現代において肥満は不健康の証明となっています。動脈硬化をはじめとする病気の原因にもなりうる肥満は、時にメタボリックシンドロームとなることがあります。
メタボリックシンドロームについて紹介します。
動脈硬化に関わるメタボリックシンドロームの怖さとは?
肥満になることは、多くのデメリットを抱えることと同じです。
体型の変化による周囲の評価の下落、顔立ちの変化による印象の悪化などの見た目に関わるデメリットのほかに、健康面でのデメリットがあります。
肥満による健康面のデメリットの最たるものが「メタボリックシンドローム」なのです。
メタボリックシンドロームとは?
マスコミで騒がれるようになったメタボリックシンドロームとは、生活習慣病の原因が複合した危険な状態と言えます。
メタボリックシンドロームの条件は、肥満体型を前提に高血圧・高血糖・高脂血症のうち二つを患っていることです。
この場合の肥満は、身長と体重で算出されるBMI指数で25以上の状態を指します。BMI指数の計算は「体重(kg)÷身長(m)の二乗」で行います。
メタボリックシンドロームの怖さ
メタボリックシンドロームを発症すると言うことは、生活習慣病の発病リスクが非常に高い状態であるといえます。
肥満は高血圧を起こしやすく、高血圧・高脂血症は動脈硬化のリスクを高めます。高血糖は動脈硬化だけでなく糖尿病の原因にもなります。
そして、メタボリックシンドロームを構成する疾患は肥満以外、自覚症状がほとんどないのも怖さの一つと言えます。
自覚できないために、医者に掛かるのを先延ばしにして症状を進行させてしまい手遅れになるケースも少なくないのです。
原因は何か?
メタボリックシンドロームを起こす原因には個人的な体質なども絡んできますが、食事と運動が大きな要因となっているといえます。
今日の日常生活では、栄養バランスや食材が偏った食事や運動不足になりがちな生活内容が珍しくなくなってきています。
脂肪分や糖分の過剰摂取と運動が不十分でカロリー消費に乏しい日常は、体脂肪を蓄積させ血中コレステロール値・中性脂肪値・血糖値を増加させてしまいます。
メタボリックシンドロームを治すには
メタボリックシンドロームは、肥満解消を大前提にした治療法で改善することが出来ます。
低炭水化物・低脂肪の食事療法と脂肪燃焼を促す有酸素運動による運動療法、症状に合わせた薬物療法がメタボリックシンドロームの治療の三本柱となります。
肥満はカロリー摂取量がカロリー消費量を上回っているから起こるものなので、摂取量を抑え消費量を増やすことで改善できます。
ただし、高血圧を患っている場合は急に激しい運動を行うと逆効果になるので、長めに準備体操を行って身体を温めてから行うようにします。
運動を終えるときも急に打ち切るのではなく、クールダウンを行って心肺の負担を軽減するのが重要です。
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